はじめから大成功を目指したりしないカンダです。これはカンダが本業の仕事に限らず、投資でも副業でも重要視していることです。
その理由と背景についてに記事にします。
◇ 大成功の裏返しは大失敗
なぜカンダが大成功をはじめから目指したりしないのかと言えば、大成功を目指してうまくいかなかった場合、それはただの成功やただの失敗ではなく大失敗につながるからです。
これについて嚙み砕いて行きたいと思います。
□ 仕事における大成功とは?
まず仕事における大成功とは、品質を担保し・納期を守って利益を最大限に得ること、だとカンダは定義・理解します。(注記:もちろん仕事は継続的なつながりであるため、そのときどきの結果が全体として最適なのかはひとまずおいておきます)
つまりは、“求められた品質をクリア”し、“決められた納期以内”で、“コストを最大限下げる”という至極明快な答えです。
例えばサラリーマン生活においてある案件を任された場合、【品質の要求】と【納期】と【予算の上限】とが決められます。
これらを守るのは大前提として検討しますが、次に考えるのは品質を下げずにコストをさげられないかです。加えて案件の契約から追加や変更を顧客に打診できないかどうかです。
その一方で、納期は決められているため、これを超えてしまっては顧客側の信用を失ってしまいます。案件によってはペナルティが課せられるケースもあります。
これらを総合的に判断しながら、利益の最大化を目指していくのです。
その最大化されたのものが言わば大成功となります。
□ はじめは失敗しないことを最優先に設定する
カンダはまず絶対に失敗しないストーリーを組み立てることから開始します。
・問題になりそうな契約上の要求はないか
・いまの人員とその能力でその要求を満たせるか
・この人員で納期を守れる可能性は高いか / 納期が守れない可能性はないか
を可能な限り掘り下げます。
その過程で簡単には解決できそうもない問題が複数潜んでいることを発見した場合や、現状の人員ではどうやりくりしても納期を守ることができない可能性がある場合、早期に必ず上長に相談し、補強を要請します。そこで補強を実際に実行するかどうかは上長の決断次第であり、実働部隊が責任を負う必要はないとカンダは考えています。(*)
また、単純な人数の問題であれば手が空いている人に部分的な協力を要請することで解決できますが、解決が難しい問題の場合はシニアを入れてもらうしかなく、難航する可能性が高いのです。
ここでお勧めしたいのがはじめに補強を要請する場合、少しだけ大げさに補強をすることです。ここでギリギリを目指すと結局、大成功を目指す人と同じになってしまいます。
一度補強した案件が進んでいくうちになにかトラブルがあって再補強となると、補強のハードルはぐっとあがってしまい、本当にまずくなったときにすべての火の粉が自分に降りかかってくるのです。
いずれにせよ、まずは失敗しない、つまりはサラリーマンをやるうえで減点されないように動くのが最優先です。
□ 失敗しない状態が構築出来たタイミングで、成功を目指す
続いて、失敗しない状態を構築できたら徐々に攻めに転じて成功、つまりは加点を目指していきます。
例えば、
・まずはすべての納期を繰り上げて終わらせるように加速させる【納期の観点】
・手間が多少かかっても大勢に影響がなければ全体で安くできそうな対応を模索する【コストの観点】
・契約内容の不備を積極的に探し、追加案件や変更依頼を顧客へ提案する【利益拡大の観点】
・自分のチームがある案件の半分だった場合、もう半分のほうへのサポートを提案する【自己評価の観点】
・実業務の中で業務効率化・標準化できそうなものがあれば、実業務に加えて成果物を作成する【付加価値の観点】
といった具合です。
このようにして成功(加点)を狙いにいきます。もちろんここで風呂敷を広げ過ぎないのは必須です。徐々に徐々に広げていくのです。サラリーマンである以上、上司の評価は生活に直結します。前節で例えば補強を要請したにも関わらず失敗したら目も当てられません。が、補強して失敗せず、かつ、成功に結びつけたのであれば、自分の評価は確実に上がるのです。(*)
* 日本のサラリーマンは入ったときに生涯賃金が確定するのは必ずしも本当ではない
ここで一度脇道に反れますが、昨今のサラリーマンの給与体系は基本的に年功序列といいながらも、実際には出世街道から外れた人間や不運にも社内的に失敗したとされる案件を担当した場合、決して平坦な道が用意されているわけではないことを強調したいと思います。
確かに日本のサラリーマンはいきなり給料が倍になったり、成果に応じてボーナスが青天井で上がっていくわけではないですが、それでも後で振り返ったときに、“結果として倍・半分違う”ことになったりするのです。
外資系や士業が絡む企業を除くと、商社や金融、我が社のような建設業界にいる場合、大型案件の成功・失敗による昇進・降格、海外駐在の多い・少ないで生涯賃金が大きく変動します。
半沢〇樹のように出向を命じられ、出向先の給与水準を適用されて一気に給与が下がる可能性や、望まない・向かない業務を意図的にあてがわれてストレスで体調を崩して休職したり、閑職に追いやられてそもそも成果が出る出ないに無関係な業務を任され10年以上も給与が据え置きにされる可能性があるのです。
これらの落とし穴にハマることのないようにまずは失敗しない、そして失敗の種を抱え込まないということが非常に大切です。
責任感が他人より強い人は特に注意が要ります。かくいうカンダも部下が失敗の種を抱え込んでいないか注意深く見ていますし、早期に失敗しそうな種を提示してくる部下は高評価すること公言し、定期的にヒヤリングをかけます。
個人の能力が高く・責任感も強い人はいいですが、責任感だけ強く・能力が追いついていない人は特に目をかけておかないと危険です。気づいた時には手の施しようがなくなったりします。
□ 大成功かどうかは結果論
結局のところ、大成功かどうかは結果論であるとカンダは考えています。
組織で与えられる業務・案件はその特性・時期に応じて誰のせいでもなく大きく変わったり、そこそこ変わったり、気づかない程度に小さく変わったり、案外スムーズに終わったりと、はじまったときにすべてがわかった状態で進むわけではないからです。
これは世間の流行や投資も同じです。一昔前に流行ったステルスマーケティングなんてものがありましたが、それでも来年の東京で大流行りするラーメンが何ラーメンかなんてのは誰にもわかりません。
投資も同様で、どの株が上昇するか、どのタイミングで下落するかは誰にもわかりません。
結局のところ歴史から予測されることはあっても、どんなに懸命に調査して予想をしても、それが現実になるかどうかは誰もわからないのです。
“結果的にそうなった”というのが正解であり、結論なのです。
これも色々な経営者の方が配信している通りですが、“必ず成功する方法は存在しないが、必ず失敗する方法は多数存在する”ということです。
あの名将 野村克也監督も、“勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし” [松浦静山 剣術書『剣談』からの引用] とインタビューで語っている通り、我々が出来ること・すべきことは負け(失敗)となりうる要因を最大限取り除き、勝つ(成功)ために最善を尽くすだけなのです。
その結果、大成功するか、成功するか、失敗するかどうかです。それでも上記を怠らなければ、大失敗は避けられます。
□ 大失敗するとどうなるか
カンダは昔、まだ本当にサラリーマン駆け出しのころに携わった案件で大失敗した経験があります。このときはすべてが自分たちの責任になったわけではないですが、遂行中の過程で欲をかいた結果(不用意に手抜きした)、建設に大きく影響を及ぼしてしまいました。
このときはカンダ自身はまだ一番の下っ端だったこともあり、特にその後の評価に不利に働いたことはありませんでしたが、それなりの立場だった人たちは数年散り散りになり、苦労をしていました。
結論
・いきなり大成功を目指すのは大失敗への近道
・まずは失敗しない状態を構築する
・失敗しない状態を構築してからはじめて成功を徐々に目指していく
・大成功になるかどうかは結局、結果論
・必ず成功する方法は存在しないが、必ず失敗する方法は存在する
余談
【大成功を目指して大失敗するリーダーとは】
実は大失敗をするリーダーは案外個人の能力は非常に高い傾向があります。
というのも案件を遂行する尺度はそのリーダーによる部分が多いためです。自分だったら出来るなと考え、周りにもそれを要求するためです。ですが、実際にはそうはならず、補強も要請せず、大失敗に至るわけです。
もちろんそもそも高いポジションになるだけの能力のない人にはそうなったりしませんが、リーダーとしての能力と個人の能力は一致しないのです。
参考になれば幸いです。皆様が小金持ちになることを祈って。
カンダ