英語が母国語の国に駐在したことがあるカンダです。
今回は前回に続き海外駐在員の英語力について、対ネイティブの国に関する実例を記事にしていきたいと思います。
日本人にとってはかなり厳しい対ネイティブについて記事にしていきます。
[↓前回記事です。ご一読ください。]
ネイティブの国はただ伝えるだけなら中学生英語でもぎりぎり可能だが、日常生活やビジネスではかなり厳しい
実体験としてはこうなりますが、細かく嚙み砕いていきたいと思います。
スピーキング・リスニング:自分が話す文法は中学英語で十分だが、それ以外はビジネス用の英単語に加えて発音・頻出熟語・頻出の言い回しは必ず習得する必要有
繰り返しになりますが、私はこれまで多様な地域(アジア、欧州、米国)で数か国に渡って駐在員をしてきましたが、英語がネイティブの国になった場合でも自分が話す英語の文法についてだけは中学生レベルの英語でどにかぎりぎりなんとかなります。
一方でそれ以外、スピーキングの発音からはじまり、使用する単語はもちろん、リスニングは全般的に到底そうはいきません。
特にネイティブには国やその国の中の地域によって特徴的な発音からはじまり、スラングを含んだ独特な言い回しに加え、苦労するのが熟語と前置詞の活用です。
私自身が実際に日本でまったく馴染みがないがよく使われていた前置詞を用いる熟語の例を挙げると、
・Get up with:(誰かと)会う、落ち合う(日本だとMeetやSee)
・Come over:こっちにやって来る(日本だとただのCome)
・Come up:思いつく(日本だとただのThinkもしくはThink about)
・Reach out:(誰かに)接触する(日本だとContact)
・Figure out:(答えを)考えつく・解決する(日本だとそもそも理解するといった意味でしか習わないが、まったく異なる!)
・Tied up:忙しい(日本だとただのBusy)
このようにして、会話をする際に英語が英語らしくなるのは、多様な前置詞の活用とそれによって成り立つ熟語によって達成されるのです。
なぜなら日本では本来”come”の一単語だけで“来る”という意味は成立すると習いますが、実際にそれだけを口にして会話をするとなんとも機械的なように受け取れ、会話っぽくなくなるのです。
そのため、こっちに来て欲しい場合は、“Come here”ではなく、“Come over here”と一単語を加えるだけでグッ口語的になるのです。
Get up withも日本人にとっては馴染みのなに言い回しですが、よく使われる印象です。Get upを使うと日本人的には“目が覚める / 起きる”としか思い浮かばないと思いますが、実際にはそうではないのです。
確かに我々も、待ち合わせのときに、“新宿で会おうか”というよりも“新宿で落ち合おうか”、というか言い方をすると思います。英語の場合はこのGet up withがそれにあたります。
その他にもCome up:思いつく、のようにComeを来るとしか認識していない場合には結びつかない意味にもなるためネイティブとの会話はこういった言い回し・熟語には特に注意が必要になっていきます。
また日本人的にはやや使いにくい・混同しがちな接続詞や副詞についてもも、とにかく周りがどういった単語をどういうタイミングで使うのかを注意してきき、習得していく必要があるのです。
相手が非ネイティブの場合、極端なことを言えば単語だけでお互いが行間を読みながら会話をすることで会話が成り立ちますが、相手がネイティブの場合これが不可能となります。
ただし、実際にはネイティブにもタイプがあり、
・グローバル企業で働いており、非ネイティブの人との会話に非常に慣れている
・そもそも高い教育を受けており、口語的でない英語であっても問題なく理解できる能力がある
・自分はネイティブだが、親や親戚が非ネイティブである(移民が多い米国だとよくある)
こういった場合は、対非ネイティブの人たちと同様にコミュニケーションを取ることが可能になります。
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経験則:とにもかくにもリスニング!ネイティブの会話を理解できるよう努力し、スピーキングでマネしてみる以外に上達はない
前回記事でも記載した通り、最も重要であり、カンダからすると最も才能が必要と考えているのがリスニングです。
それでも仕事をしていく、生活していくのにはどうにかしてリスニング力を上げていくしかないのです。逆に言えば、リスニングができるようになればスピーキングは大した問題になりません。あとから必ず能力がついてきます。
なぜなら、リスニングができる ⇒ その音が理解できる ⇒ 自分の発音としてスピーキングしてみる、という流れが構築できるようになるためです。
ここに至るまではとにかく恥をかきながらも現地の人に“今こういったの?”、“それってこういう意味だよね?”、“こういう発音で伝わる?”と質問しトライし、リスニング力を高めていくほか方法がないのです。
一般的なリスニング力・スピーキング力向上の方法として、“シャドウイング”なんかもありますが、ガチガチの現地人には正直あまり意味をなさないかな、というのがカンダの見解です。
日本に来ている外国人の日本語をイメージすれば簡単ですが、一般的な教材は無駄のない文法やきれいな言葉しか使用していないのに対し、実際の会話はそこからかけ離れたものになるのです。
そのため、相手がネイティブかつ訛りや方言が強い場合に至っては、しばらく会話をしないと全然話がつかめないことも多々あります。
特に難しいのは“雑談”です。
非ネイティブと異なってくるのはこの点で、対ネイティブとなると今度は仕事の話のほうが専門的な単語が使われるためむしろ理解できるようになっていくのです。
一方で雑談はそうはいきません。英国人ならサッカーの話、オーストラリアならラグビーの話、米国人ならばアメフトの話は鉄板ですが、急にそんな話を振られても本当に何のことやらさっぱりになっていきます。
こればかりは積極的にコミュニケーションを取っていき覚えていくか、ビジネスだけに特化していくか本人が決めていく必要も出てきますが、やはりそういった話もできないと仕事・ビジネスとはいえ、相手は心を開いてはくれないでしょう。
リーディング・ライティング:ネイティブの国の文章は非ネイティブの日本人には本当にわかりにくい!行間を読むのに苦労する
上記はあるあるかと思いますが、とにかくネイティブのライティングはわかりにくいです。イギリス系はまだマシですが、アメリカ系の、特にそこまで高い教育を受けていない・外国人と接点がない人ですと、本当に何を書いているのかわかりません。
カンダが受けた印象とその実例としては、
・Yes / Noで答えを要求しているのに、YesともNoとも書かない。
・may ~ や hope ~ などが散りばめられ、事実がまったくわからないことが多々ある。
・誰宛かを文頭に書かずに、一方的な個人の見解や本筋とは異なる疑問を全体発信でメールする。
・日本の文章のように適宜改行をするということがないので、複数の話が一つの塊として送られてくる。
・日本人が中学高校で習うようなカンマの使い方は完全に無視され、どこで文節が区切られているかどうか判別がつかない。
以上が実例の一部としてあります。
本当に文章がわかりにくいです。なぜなら非ネイティブの多くが、ネイティブたちの行間が読めないからです。
ネイティブ同士だとあ・うんの呼吸や文化的な背景を鑑みて理解をしますが、我々には残念ながらそんなことはできません。当然字面だけからしか判断できないためにこういった事態に陥ります。
ここは仕方がないのではじめは粘り強く確認し続けること以外に道はないのですが、徐々に行間を読めるようになるのは事実です。またおじさんになるほど、日本で言うことわざや慣用句を織り交ぜてくるため、余計にわかりにくいのです。ここも学ぶところがあります。
一方で、ライティングは対非ネイティブの国とスムースにやり取りができるのであれば正直苦労は感じませんが、使用する単語・熟語はアジャストしておくのは必要です。
受け手側からしたら堅苦しく感じるだけでなく、えらく直接的な書き方をするなと感じるようですが、仕事・ビジネスにおいてはそれで問題にはならないです。
ちなみにお客さんがネイティブの場合はあまり書面で直接的な物言いをすると後々面倒になるので避けたほうが無難ですので、あらかじめ裏を取ってから書面に残すほうが得策です。
経験則:リーディングは慣れ、ライティングは単語・熟語をその場に合わせる
上記の通り、リーディングは慣れるしかありません。それでもリスニングに比べればなんてことないのです。
しつこいと思われようとも、鬱陶しがられても、根気強く学びとっていくほか方法がないのです。
実は経験として良い面もあり、日本人同士で働くよりも外国人と働くほうが精神的な面で楽に感じることもあるのです。
その理由が行間が読めない、つまりは嫌味が伝わらない、相手の感情をダイレクトに受けないという状態になるためです。
英語で多少怒られたとしても、怒っているな、とか、イライラしているなと感じるぐらいで、日本人に日本語でダイレクトに叱責されるよりも私はあまり精神的にストレスに感じません。
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まとめ
・相手がネイティブの国出身であれば、文法に関しては中学生英語レベルで問題がでることはあまりないが、それだけでは到底ビジネス・日常生活を送ることはできない。
・特にリスニング力は必要不可欠。専門的な単語だけでなく、独特の言い回し・熟語は早期に身につけるべき。
・英語の慣用句やことわざ、文化的な背景も学べばより密なコミュニケーションが取れるようになる。
・スピーキングはリスニング力がつけば後から追いついてくる。ただ発音は意識して英語的に話すべき。
・リーディングもネイティブ特有のあいまな表現や回りくどい表現は慣れるしかない。
・唯一ライティングは非ネイティブの国と同様でも伝わるが、現地でよく使われる単語や熟語に変えることは必要。
余談
【スラング・訛り・方言の多様さについて】
アメリカ・イギリス・オーストラリア等、英語が母国語の国は多々ありますが、当然国によって完全な独立した方言が存在します。
それだけでなく同じ国の中でも訛りがキツイ・そうでもない地域も存在します。またルーツ(ヨーロッパ系、中南米系、アフリカ系)によっても言葉が違ったりします。
日本人にとって特に聞き取りにくいのは、途切れなくモゴモゴ・むにゃむにゃ話す地域は聞き取るのが難しいと感じます。本当に雑音にしか聞こえないときが私自身もありました。
それでも毎日毎日仕事をしていれば徐々にわかっていくようになっていくから不思議なものです。
参考になれば幸いです。皆様が小金持ちになることを祈って。
カンダ
【投資はあくまで自己責任で】