郊外の戸建に住んで都心に通勤するのはとっくにモデルケースではない
遠距離通勤・通学は人生の損失だよって話。個人的な経験を踏まえて書きたいと思います。親世代の古い考えに惑わされずに時代に則したライフスタイルを構築してきましょう。
『片道30分』の違いは年間240時間の損失、『片道60分』の違いは年間480時間の損失。理想は40分程度。
会社や学校まで片道30分で到着する人と、片道60分で到着する人では1日1時間の差が生まれ、通勤日数を240日間とすれば年間約240時間、10年で2400時間の違いがでる。人間の活動時間が仮に18時間だとすれば1年でおよそ14日間、10年間で約140日間(5か月弱)の時間が失われることになる。これが片道90分かかる人であると1日2時間の差が生まれ、1年で約1か月、10年で約10か月の時間が失われる。
理想的なものは40分程度だとされている。要は多少の交通トラブルがあっても1時間以内に到着できるというのがストレスがないのだろう。
これを必要なものだと考えるかどうかはその人次第だが、私の経験を遠距離通勤・通学について書いていく。
到着するころにはすでに疲労気味、早く帰ったつもりでも家に着くのはすっかり遅く
肉体的なマイナスは、当たり前ですが移動は疲労します。たとえ始発駅でずっと座っていたとしても体は疲労していきます。私は高校から大学にかけて片道90分弱の通学を経験しました。幸いにも始発駅を利用することが多く、眠たい朝や疲れた日には電車内で睡眠をとったり、余裕があるときは勉強したりとそれなりに工夫して過ごしていましたが、やっぱり無駄な時間でした。というのも、この90分のうちの半分は駅までの徒歩や乗換待ちを含めたものであるから、結局何もできない時間だから。
精神的なマイナスとして、早く出ても / 帰っても、結局早く着かないこと。これが結構なストレスです。いつも時間迫られながら生活をしなくてはならず、乗換のつながりのいいタイミングや特急・急行がでるタイミングで出発・帰宅しないと、この90分という時間がどんどん増えていってしまう。Schedule感が身に付くという面はあるが、そんなものは受験で見つければいい話。わざわざこんなところで身に着ける必要などない。
じゃあ都心の狭いマンションに高い家賃を払うのが正解なのか?
これはまた別の話で、最終的にはどの程度の不自由を許容するかを真剣に検討するのが必要ということ。
Case 1: 電車の乗る時間を短くし、駅から遠くなるのを我慢する
Case 2: 電車に乗る時間は多少長くとも、駅近くに住む
Case 3: その間を取る
個人的には【Case 2】 がおすすめです。というのも立地を決める軸は実際には通勤通学に限らず、普段の生活も関わるから。たとえば東京駅から電車で40分の駅が最寄駅だとすると、東京駅にたどり着く前に大概ターミナル駅・準ターミナル駅が存在して、都心にでなくとも生活が完結するから。(要は神奈川方面だったら横浜、埼玉なら大宮、千葉なら船橋、柏とか)
また悪天候のときの不自由さや、タクシー利用の頻度もぐっと抑えられるため。
働き方改革による変化も検討する。郊外が良くなる場合もある。
今後間違いなく増えるのは在宅ワークだ。私の経験だと、アメリカ人は定時でOfficeから出て、家から電話会議に出たりする。つまりOfficeがなくなる or Officeに出社する回数が減るということ。そうなった場合、広い家に住みたい人はあえて郊外を選ぶこともあるだろう。ここらへんは自分が勤めている企業の動向を気にしていく必要がある。
ミニマリストの考えもわからないでもない。
狭い家に住むことのメリットもあるということ。部屋数がないと子育てできないのはわかるが、大人になると自分の所有物はコントロールできる。つまりあえて狭い家に住み、物が増やせない状況になれば、案外ものは減らせるもの。隙間があると埋めたくなるのが人間のサガ。
20代だろうがおじさんだろうが、1時間の価値は一緒。ただし、使い道が変わっていくことを意識する。
10代の受験勉強や部活がいい例だが、かける時間が大きく成果に影響する。20代の社会人も、周りが遊んでいる間に自己研鑽にいそしめば、将来的におおきなプラスとなる。一方で、自分が30代になってみてわかったのは、時間の使い方が20代における“将来に対する投資”という意味合いから、“いまの自分を保ち、損をしない”意味合いに変わってくること。まず30を少し超えてくる31、32歳で明らかに太ってくるものが出てくる。特に若いころから横にも縦にも大きい人ではなく、中肉中背だったり細身だった人が変わってくる。ここらへんは20代と同じような乱れた食生活や不規則な生活を続けている人に顕著で、通勤時間が影響してくる最たる例である。また、仕事の裁量も責任も増してくる30代前半に集中できる環境を整えていないと、周りから取り残され、閑職に追いやられるといった例も間近でみてきました。
まとめ:自分のライフスタイルを熟慮して損をしない居住地を選ぶ。
こういう話をするとすぐに極端な思考に陥る人が少なくないのはなぜなんだろうか。結局は程度問題で、近い=会社まで徒歩15分、遠い=Door to Door で1時間半とかでしか考えられない人はどうにもならないです。
カンダ